南ペトウトル山は、然別湖周辺に位置するピークの一つで、大雪山系の山に位置づけされています。湖畔から1本の夏道が開かれていてそれなりの急登がありますが、地形が単純な尾根道で、短い時間で山頂へ立つことができます。
尾根道ということで、積雪期もこの道を利用することができ、冬季でも登山口まで除雪もされています。
この記事では、無雪期と雪山の違いを感じてみることを狙いに、9月と12月の2回の山行をご紹介します。
人気があまりないマイナーな山ですが、ご興味がある方がいれば最後までお付き合いくださいませ。
然別湖畔から真っ直ぐな尾根を巡る
鹿追町側から道道85号「鹿追糠平線」で然別湖畔温泉まで進むと登山口があります。
然別湖畔温泉の駐車場から出発し、まずは尾根に取り付くために斜面を登っていきます。
道道85号は、11月初旬から翌4月下旬頃までの間、然別湖から糠平温泉郷までの区間が冬期通行止めになりますが、鹿追方面からはアクセス可能です。
尾根に取り付くと、尾根筋に忠実に笹の刈り分け道が付けられています。
ところどころに倒木や枝が邪魔しますが、跨いだりくぐったりしながら、ただひとすら登っていきます。
振り返ると、木々の隙間から静かな然別湖と、湖畔の白雲山が見えてきます。
南ペトウトル山は標高が1,345mとそこそこあり、然別湖の湖面もすでに標高805mもあるので、ご覧の通りガスがかかりやすいかもしれませんね。
12月下旬ともなると、このように湖面は凍結しています。
尾根を登りきると山頂台地に飛び出し、そこから山頂まではまもなくの距離。
無雪期なら2時間もかからず登ることができます。
いっぽうで雪山になると、樹林帯の中という理由もあって、猛烈なラッセルを強いられることがあり、4時間以上かかることもしばしば。
夏ならばあっけなく到着できる南ペトウトル山のピーク。
帯広周辺にお住いの方なら日帰り圏内ですが、そうでもなければ、この山だけを選ぶ理由が見出しにくいかもしれません。
だからこそ、このように季節を変えて登ってみることを提案します。楽しいかどうかは別として、学ぶことがきっとあるはず。