こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は中標津町と標津町の境界にある、武佐岳。
秋に一度登ったことがあり、2回目の今回は雪山に挑戦。
2018年の元旦に登ってみましたので、その様子をお伝えしていきます。
武佐岳ってどんな山?
武佐岳って聞いたことがない人も多いでしょうが、「北海道の百名山」(北海道新聞社)に選ばれている名山。
よく整備された夏道があり、登山初心者に易しいレベルの夏山です。
登山口がある中標津町には、全国区で有名な開陽台があり、秘湯として知られる養老牛温泉もあります。
さらに近隣には、日本百名山の斜里岳のほか、野付半島、知床半島といった著名な観光名所もあるため、知名度はかなり劣ります。
標高は僅か1,005mと低いのですが、最も近い海岸線まで17km程度しか離れていないので、市街地からたいへん目立つ存在です。
冬のルートも夏道と同じ
武佐岳の登山口は、標高点・244の付近。
ここには、トイレと入山届ポスト、駐車スペースがあります。
さらにその先の標高点・310にも、僅かですが駐車可能。
標高点・310まで除雪されていれば、交差点の端っこに駐車できます。
もちろん積雪期なので、車両の通行はまずありません。
ただし、登山中にまとまった雪が降った場合、クルマが雪に埋まって身動きが取れなくなるリスクがあります。
冬の林道に関しては「除雪されているからラッキー」と単純に考えず、下山時の天候まで考えておきたいところです。
余談ですが、今回は納沙布岬で初日の出を迎えてから、武佐岳へ向かいました。
大晦日の20時に札幌を出発し、夕張IC~芽室ICのみ高速道路利用で、元旦の5時に納沙布岬へ到着。
なので、登山開始は10時です。
除雪最終地点は標高点・310
夜まで雪が降りそうになかったので、除雪最終地点の標高点・310まで車を進めて出発。
武佐岳憩清荘までは、約1時間くらいの道のり。
ほとんど傾斜がない緩やかな道なので、ウォーミングアップに最適です。
私たちの他にも元旦に登る人がいるらしく、今朝付けられた先行トレースがありました。
ちょうど3合目にある憩清荘。
先行者のおかげで、ここまではツボ足でも大丈夫でした。
道東らしい冬晴れを期待していたのですが、残念ながら曇り空。
目指す山頂はガスに覆われています。
時間も遅いので、この後に回復することも見込めなく、ちょっと残念。
標高点・656からの平坦地形はラッセル覚悟で
標高点・656付近の台上まで上がって振り返ると、北海道らしい広々としたパノラマ。
かつてライダーの聖地と言われた開陽台から近く、開陽台より高いところにあるので、景色がいいのは当然。
山岳らしい景色ではないものの、北海道の広さを感じられる眺めなのが、道東の山々の特徴でしょう。
ただ、この付近は平坦地のため雪深く、しばらくの間深いラッセルが続きます。
平坦地を過ぎると、今度は緩やかな吊り尾根となって、山頂への尾根を登っていきます。
季節は異なりますが、昨年5月に登ったイドンナップ岳の雰囲気を思い出しました。
ちなみに2万5千図では、尾根上に夏道が付けられていますが、実際には尾根よりやや西側の林内に登山道があります。
わずかに雪庇がせり出す東側のほうが、開豁していて歩きやすそうに見えます。
でもまだ雪が少ないためか、モノカ雪を踏み抜くことが多くて疲れます。
標高700mから一気に高度を稼ぐ
標高700mくらいから一気に急登になり、標高800m付近でいったん緩みます。
辺りも完全に真っ白になってきました。
その後は山頂まで急斜面、冬はかなりの登りごたえ。
視界がないとモチベーションが上がりませんし、いったい何のために登っているのか分からなくなります。
ただ、風がないというのは好条件。
せっかくの機会なので、山頂まで登ることにしました。
今回の登山は、もうすぐ71歳になる母のリクエスト。
翌日も北見富士に登りました。
彼女、15年くらい前から山歩きを始め、「北海道の百名山(北海道新聞社)」「新版 北海道百名山(山と渓谷社)」の全118山のうち、すでに100座以上を登ったんですって。
子の夢を親が支援するということは多いでしょうが、親の目標達成を子がお手伝いするというのは、レアなケースかも。
共通の趣味を通じて、親子が時間を共有するというのは、素晴らしいこと。
登山中やマラソンのいいところは、お互いに苦しい状況を共有して、力を合わせて乗り越えるところじゃないかな。
親が頑張っているのを見ると、自分もまだまだ成長しようと思うし、親への尊敬が増す機会にもなります。
これは夫婦や友人関係でも同じこと。
標津町との境界になっている、双耳峰とのコルへ到着すると、最後は30mくらいの登り。
北西にある双耳峰の山頂も、ほぼ同じ高さです。
標高1,005mの武佐岳山頂
夏のコースタイムは、登り2時間30分程度ですが、今回は3時間50分かかりました。
足回りは、憩清荘まではツボ足、それ以後はスノーシューです。
母も、無事登頂。
2016年4月にユニ石狩岳で滑落未遂があってから、森林限界を超える雪山へは一緒に登っていないので、達成感が大きいですね。
下山中に登り返しがないので、スノーシューでも夏と同じくらいの時間で下りられます。
スキーなら沢を下りて、トラバース気味に憩清荘へ下ることができそうですが、まだそこまで雪がありません。
冬の道東は、雌阿寒岳や藻琴山が有名ですが、この武佐岳もおすすめします。
もう一度、天気のいい日を目がけて、残雪期に訪れたいですね。
道の駅摩周温泉で足湯を楽しんで
下山後、北見市へ向かう途中に訪れた、弟子屈町の道の駅「摩周温泉」
駐車場はあまり広くないのですが、市街地にあるわりにはとっても静か。
近所にコンビニや温泉もあるので、夏は車中泊をする人で賑わいます。
ここには足湯があり、この時期でもちょうど良い湯温なんですよ。
登山で冷えきった手や足を温めるのに最高です。
でも、露天風呂に入るなら、養老牛温泉のからまつの湯で。
翌日は北見富士に登ります。