こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は西クマネシリ岳。東大雪の最も東に位置しており、隣のピリベツ岳とセットで「おっぱい山」とも呼ばれています。
大雪山国立公園の境界線にあるようですが、三国峠を貫く国道273号よりも東側にあり、ちょっと仲間外れな感じが否めません。でもクマネシリ山塊の一つなので、全体的には大きな山という印象。
夏道はお花に乏しく、単純な登山道。
東大雪にはニペソツ山や石狩岳といった人気の山々が多いため、相対的に訪れる人が少ない山でもあります。
ただし難易度は低め。
山頂付近からの展望が素晴らしく、北海道百名山に選ばれていることもあってか、一定数の入山者がいることも確かです。
残念ながら、2016年の台風と大雨による被害で、しばらく林道が不通の状態が続いています。情報ではかなりの荒廃のようす。このままの状況が続いて入山者が減少すると、植生の関係で登山道の藪化が進むことも懸念されます。
駐車スペースからは地味な道を行く
林道の入口は、国道273号の十勝三股よりやや北側。シンノスケ三の沢林道から登山口へ入ります。
繰り返しますが、2016年の台風被害のため、当面の間ゲートが閉鎖されており、車両が通行できるような状態ではありません。
登山口まで徒歩でアプローチすることが出来るようですが、容易ではないでしょう。
林道の状況については、北海道森林管理局のウェブサイトで随時情報が更新されています。
なお、この山行は災害前の2015年夏の様子。当時はクルマで林道を走ることができました。
登山口は林道が屈曲して登りに差し掛かる付近の小さな広場にあります。2万5千図で見ると、沢を離れて幅員が狭くなる実線道が北に分岐しているように見えますが、実際はそうではないので注意が必要です。
まだ明け方の暗い時間帯は、このポイントを見失いがち。
登山開始からしばらくは河畔沿いの道を進みます。傾斜がほとんどないのでウォーミングアップに最適。
ここまでの区間は古い作業道だったのでしょうか。マーキングがたくさん下がっている地点から、本格的な登山道になります。
しばらくは樹林帯の中。
やがて尾根に取り付くと急登になりますが、この段階ですでに半分以上まで進んでいるので頑張りどころです。
初夏の大雪山系にありながら、お花に乏しいのがやや残念。これも登山者が少ない理由かも。
稜線が近づくと視界が開け、山頂まであと僅かの距離
高度をグングン上げると、木々の合間からニペソツ山が見えてきます。ウペペサンケ山から見たニペソツ山は魅力的ですが、この辺から見ても特に何てことはないですね。
【2018年版】ウペペサンケ山(糠平コース)|林道の被災状況と倒木や笹刈りなど登山道の荒廃について
この辺りはすでに標高1,400mを超えていて、山頂までまもなくの距離です。
西クマネシリ岳とピリベツ岳とのコルには、標識が設置されています。
2万5千図では足寄町と上士幌町との境界線しか記されていませんが、ピリベツ岳へは登山道があります。
これについては、北海道夏山ガイド③|東・北大雪、十勝連峰の山々(北海道新聞社)でも紹介されているので参考まで。
分岐地点からさらに標高を上げていくと、ピリベツ岳の全体が見えてきます。
標高点・1602があるのは、西側(画像の左側)です。この高度でも樹木で覆われているところは興味深いですね。
西クマネシリ山頂付近からの眺め
山頂直下には、スッパリと切れ落ちた岩場がありますが、ここを慎重にクリアしたら、ハイマツ帯を抜けていよいよ山頂です。
山頂付近からの表大雪の眺めをご紹介します。
こちらは東大雪の眺め。
標高点・1706は、三国山からユニ石狩岳へと続く稜線上にあるピークの一つ。残雪期に登ることができます。
【ユニ石狩岳】北海道百名山|三国峠から4月の残雪期に稜線を繋いで登ろう!
晴れていれば十勝連峰の山々も見渡せます。西クマネシリ岳から十勝岳までは、直線距離にして45kmも。
さて、山頂に到着すると実はもう一つお楽しみがあります。
この眺め。クマネシリ岳とその稜線。とても珍しい眺めだと思いませんか?
このように西クマネシリ岳の山頂からは、表大雪の山々からウペペサンケ山まで横一直線に、天気が良ければ十勝連峰まで見渡せる展望の山なんです。
林道が不通でちょっと遠い山になってしまいましたが、ぜひ一度は登ってみたい山の一つ。私も機会を作って再訪してみたいです。