こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
初夏の高山植物と残雪の山々が楽しめる7月が終わりましたね。8月もお盆の帰省や家族と過ごすイベントがあったりして、遊べる時間が作れない人も結構多いのではないでしょうか。また、地元北海道の人たちは暑さに弱いですので、真夏の山を敬遠する人も少なくないでしょう。
北海道は8月中旬を過ぎると一気に秋の様相となり、道外からの登山者もめっきり少なくなります。突然やって来る台風によって天気が読めないことや、秋の連休には北アルプス等への優先順位が高まることが、その理由の一つと考えられます。
一方で地元北海道のハイカーは、この時期から活動が盛んになりますよね。
そこでこの記事では、「夏を逃しても大丈夫!9月になったら登りたい北海道のメジャーな山10選」と題して、当ブログイチ押しの山々をピックアップしていきます。メジャーな山ばかりになりますが、そのくらいおススメしたい要素が詰まっています。春から少しずつ山に登って体力もアップしているでしょうから、今年の集大成として1ランク上の山を目指すのもいいですよね。
なお、紅葉を目的とした山は除外していますので、表大雪の主要な山々は紹介していません。あくまでも秋晴れの日に気持ちよく感じられる山をテーマにしています。また、2016年の大規模災害でアクセスが困難になったしまった東大雪や日高山脈の山々も除外しています。
①富良野岳と上ホロカメットク山(十勝連峰)
富良野岳山頂(9月中旬)
まず最初は十勝連峰。私のおススメは富良野岳です。
富良野岳は山肌が荒々しい十勝連峰の中において、緑と花に恵まれた山として有名です。6月~7月に登る人が多いのですが、私は9月のこの山が好き。
秋晴れの早朝には霜が降りるほど冷え込みますが、白い息を吐きながら登った山頂からは、十勝岳や表大雪、日高山脈も眺めることができ、一足お先に秋の深まりを感じることができます。
十勝連峰は表大雪よりガスに包まれることが多いようで、特に7月から8月の登山では、稜線上がスッキリと晴れる日数が少ないように思います。そのような理由もあって、当ブログでは9月におススメしたいと思います。
富良野岳へは十勝岳温泉から登るのが易しいですね。下山は登ってきたルートをそのまま下りてもいいのですが、三峰山、かみふらの岳、上ホロカメットク山の縦走路を歩いてから下山すると、緑の山肌から火山特有の雰囲気に変わっていく様子を楽しむことができるんですよ。
また、秋は下山後の温泉や食事も楽しみですよね。十勝岳温泉で温まって、お肉で有名な上富良野町で、焼き肉なんていかがでしょうか。
9月の早朝はとっても冷え込みます。防寒対策はしっかりとしてくださいね。ちなみに10月になると雪が降ります。2017年10月に登った時のブログもぜひご覧ください。
富良野岳|10月初冠雪の十勝連峰と表大雪の眺め|凌雲閣から夏道で山頂へ
②ニセイカウシュッペ山(北大雪)
ニセイカウシュッペ山からの眺め(10月中旬)
次はニセイカウシュッペ山。
こちらは北大雪を代表する山のひとつで、山頂からは表大雪の山々を一望できます。上の画像は10月中旬のものなので雪に覆われていますが、9月ですとまだ雪がほとんどない景色が広がっています。
通称「アンギラス」と呼ばれる軍艦山や、平山へと続く稜線も魅力的で「次回はあの稜線を歩いてみたい」という意欲を掻き立てられることでしょう。
登山にかかる時間も手ごろなので、初心者でも安心して日帰り登山を楽しめます。また、道央自動車道と旭川紋別道を利用すれば、札幌からでも日帰り圏内。
登山道へのアクセスには古川砂金越林道ゲートを開ける必要があります。ダイヤル錠の番号についてのお問い合わせは、上川中部森林管理署へ電話にて問い合わせが必要です。
問い合わせ先
電話:050(3160)5745 平日の8:30~12:00および13:00~17:15
2014年10月、ニセイカウシュッペ山に登ったときの記録はこちら。
【ニセイカウシュッペ山|日本三百名山】10月中旬、初冠雪の山頂と大槍、小槍、アンギラス
③化雲岳(表大雪)
化雲岳から表大雪の眺め(7月)
次は表大雪の化雲岳。この山、知名度が低いですよね。そしてちょっとハードルが高いかも。
私は、6月と9月に訪れたことがありますが、大雪山系のちょうど真ん中くらいにあって、表大雪とトムラウシ山の途中にあるピークです。この山だけを目指して登る人は少ないでしょう。
しかし第1公園と第2公園、ちょっと足を伸ばした場所にあるヒサゴ沼、表大雪や東大雪の遠景、そしてトムラウシ山。天気が良ければすべて満足できることでしょう。
いちばんのネックとなるのは天人峡温泉からの長い夏道。健脚な人でもなければ、往復10時間はみたいところです。でもそれだけの価値はきっとあります。
天人峡人峡温泉までの間には林道区間が無く、舗装された道道が続いています。旭川から車で1時間~2時間程度をみれば大丈夫。
秋は重い荷物を背負ってヒサゴ沼で静かにテント泊、というのもおススメです。残念ながら、2019年はヒサゴ沼避難小屋の改修工事が行われているので利用できません。
紅葉と初冠雪で賑わう表大雪の山々とは直線距離で10km程度しか離れていないのに、まったく違った雰囲気が味わえるのも魅力です。
2017年の化雲岳の記事はこちら。
【トムラウシ山|日本百名山】天人峡温泉から日帰りできるか?このコースをおススメする理由とは?
④南暑寒岳・雨竜沼湿原(増毛山地)
雨竜沼湿原から見た南暑寒岳(7月)
「北海道の尾瀬」と表現されることがある雨竜沼湿原。山に登るといういうより、高原歩きと言った方がよさそうです。せっかくだから南暑寒岳にも登りたいところですが、雨竜沼湿原だけでも、十分楽しむことができるんですよね。
山歩きに興味がある方をご案内したり、初心者の方におススメするとしたら、私は雨竜沼湿原を選ぶかもしれません。また、最近増えている海外からのハイカーさんにも、ぜひ訪れてほしいと思います。
札幌からのアクセスは、朝5時くらいに出発しても、のんびり楽しめるでしょう。大雪山の紅葉がピークを過ぎて寒くなる秋の連休あたり、あまり標高が高くない雨竜沼湿原をチョイスしてみてはいかがでしょうか。お花のピークが終わった湿原歩きもいいと思います。
夏休み明けの仕事でストレスが増している人にとっては、「心の洗濯日」に最適な雨竜沼湿原です。 2019年7月の雨竜沼湿原と南暑寒岳の記事はこちら。
【雨竜沼湿原・南暑寒岳】ゲートパークへのアクセスや服装、7月上旬の開花状況など
⑤雌阿寒岳(道東)
阿寒富士方向から見た雌阿寒岳(5月)
次いで道東の雌阿寒岳。上の画像は5月のものですが、道東の雌阿寒岳はどのシーズンに来ても楽しいですよ。その中でも雪がなくて、ちょっと寒々しくなった秋に訪れるのをおススメしたいと思います。
空が晴れ渡れば、樹海越しに大雪山系や日高山脈の山並みが見えるのも魅力。登山中に見下ろせるオンネトーの佇まいを楽しんだり、下山後は野中温泉の秘湯らしい雰囲気をじっくり味わうことができます。釧路市内まで足を伸ばして、ローカルグルメを漫喫するのもいいですよね。秋こそ温泉とグルメが最高。
札幌からのアクセスは、高速道路の延伸で一気に時短が可能になりました。運転手さんが2人いれば、かなり楽に日帰りすることができます。登山に要する時間は短いほうなので、爽やかに楽しんで温泉も楽しみたいですね。
ただし雌阿寒岳は風が強いことが多く、標高も1,400mを超えますので、防寒対策をしっかりとしてお出かけください。
参考までに2018年5月に登った雌阿寒岳の用のリンクを貼っておきます。
雌阿寒岳・阿寒富士|初心者向けの道東の名山は、雄阿寒岳や阿寒湖、オンネトーの景色が抜群で、雪解けも早いのでおススメ
⑥斜里岳(道東)
清里から見た斜里岳(9月)
斜里岳は深田久弥氏が選んだ日本百名山ということもあって、無雪期にはとても賑わう道東の独立峰です。ちなみにみなさんは、深田久弥氏の日本百名山って読んだことがありますか?日本百名山を目指している人でも、原作を読んだことがない人って意外と多いんですよね。原作を知ると山歩きがもっと楽しめるもの。忘れないうちに購入しておいて、シーズンオフ中に一読することをおすすめします。
あと、田中澄江さんの花の百名山もお忘れなく。
さて斜里岳の話に戻しますが、大半の方は清岳荘さんから「新道コース」「旧道コース」を利用して登りますが、当ブログでは静かな「三井コース」をイチオシします。
【斜里岳|日本百名山】三井コースからの登山は静かで渡渉箇所もなく、時間も短い穴場コースだった
2014年9月に訪れた際には、ほとんど誰ともすれ違わないくらい利用者が少ない状況でした。静かに秋の斜里岳を楽しめるんですね。
登山コースや山頂からは、同じく斜里の名峰海別岳や知床半島、屈斜路湖と藻琴山、オホーツクの海岸線を見渡せます。
⑦芦別岳(夕張山地)
芦別岳山頂からの眺め(6月)
芦別岳の登山に関して、昔から旧道から登って新道で下りることができれば一人前と言われることが多いようですが、6月は残雪の影響がありますし、7月や8月の旧道コースは虫が多くてちょっと敬遠したいところですよね。
そんな登山コースも、秋には涼しくなってとっても登りやすくなるでしょう。行程も長いので、ザックに担ぐ水の量が少なくて済みますしね。
もちろん、新道からの往復でも十分楽しめます。富良野盆地を挟んでずらり並んだ十勝連峰を見渡すことができ、お隣の夕張岳へと続く山並みも美しいですよ。
運動量もそれなりにあります。苦労して山頂ピークへ至る達成感という、山登り本来の楽しみ方も十分に味わうことができます。2018年6月に登った時の様子もご参考ください。
【芦別岳|新道コース】全周に広がる雲海、残雪と緑と青い空、ツクモグサを楽しみに早朝から山頂を目指そう!
⑧夕張岳(夕張山地)
大夕張コースから前岳を振り返る(6月)
そして同じく夕張山地からは夕張岳。
夕張岳は花の名山なので、6月下旬から7月頃にかけて多くの登山者が集中します。
メインとなる大夕張コースへ至る林道は土砂崩れなどの災害が発生すると閉鎖されることがあります。また、開放されている期間が6月中旬から9月末日までと決まっているため、登山を楽しめる時期が限定的です。
2017年はシーズン中でも林道が長期間閉鎖。2018年、2019年は開放されています。8月以降の台風シーズンになると災害が発生する可能性がありますので、9月になっても林道が解放されているのであればチャンス。札幌から近いのもおすすめする一つの理由です。
ちなみに、私は5月に林道を歩いて往復してみましたが、ヒグマに遭遇しマダニにもやられた苦い経験があります。
【夕張岳|日本二百名山】林道でヒグマ遭遇、マダニに咬まれる|冷水コースと馬の背コース
さて、夕張岳の魅力は花だけではありません。山頂間近では独特な景観が楽しめ、高原帯ならではの雰囲気が好きなリピーターの方も、少なくないでしょう。
夕張岳と芦別岳は、よく対比されて語られることがありますが、夕張岳の方が再訪する人が多いと聞きます。その理由は、前岳湿原以降の景観が何度訪れても素晴らしいと感じるからなのだと思います。
毎年9月末には市道のゲートが閉鎖されることを前述しましたが、夕張岳の夏山シーズンは9月いっぱいで終了。それ以降、事実上日帰りでは不可能になり、降雪もみられます。
なお、2019年6月にも冷水コースから登って馬の背コースを下りてみましたが、私見では往復ともに冷水コースの利用を推奨。
【夕張岳|大夕張コース】林道ゲートは6月15日から解放 ユウバリソウをはじめ高山植物が満開
⑨羊蹄山(道央)
喜茂別コースからの登る羊蹄山(9月)
羊蹄山の夏山登山に関しては、当ブログは6月がベストだと考えています。その理由は残雪の美しさと緑、青い空のコントラストが美しいと感じるから。でも6月はコースによって雪が多く残るため、一般登山者向けではないのが現状。残雪の上を登るのは快適なのですが、羊蹄山は直登すると急斜面で地形が単純なので、万が一滑落したら大変です。
では、7月や8月が良いのかと言えばそうでもありません。山の一部を除いてはお花にそれほど恵まれませんし、日影が少ないので直射日光に苦しむことに。
そのような理由で、当ブログでは9月がおすすめなんですね。どうしても真夏に登るのであれば、夜明け前から午前中にかけての時間帯がいいでしょう。
ちなみに羊蹄山の登山コースはたくさんありますが、私は京極コースと喜茂別コースが好みです。
下山後はまっかり温泉や京極温泉にありますし、足を伸ばしてニセコの温泉郷まで行ってもいいでしょう。京極温泉で汗を流してふきだし公園で湧水を楽しみ、喜茂別町できのこ汁を頂いて直売所で野菜を買って帰る、楽しい秋の休日を過ごせますよ。9月1日の羊蹄山喜茂別コースの様子は下記の記事にて。
【羊蹄山|喜茂別コース】40代でも2時間で登れるかやってみた(*2時間で登れませんでした)
⑩利尻山(道北)
8合目の長官山から利尻山山頂の眺め(6月)
最後は利尻山。この山こそ真夏でもいいと思いますが、やはり登山者が集中するのがネック。そこで、7月から8月を避けてあえて初秋に登るのもいいかと思います。
稚内と利尻島を結ぶハートランドフェリーの時刻表は、11月1日~4月20日までの間は1日2往復ですが、それ以外の期間は3便~4便も運航しています。場合によっては臨時便が出ることもあるようです。年度によって運行スケジュールが変わります。
島内で1泊すれば、週末でも十分楽しめるくらいのスケジュールを組むことができます。
ちなみに札幌から利尻島へ行く場合、高速バスや自家用車で稚内まで行き、フェリーで往復するよりも、飛行機で訪れたほうがコスパが良いことがあります。
▽例えば札幌ー利尻島の2019年9月の最安値(2019年8月14日現在)であれば、往復16,452円とか、
▽札幌-稚内の2019年9月の最安値(2019年8月14日現在)であれば、往復12,856円とか、、、
スカイスキャナーで出発地と目的地を入力して月全体で検索すれば最安値が一発で検索できるので、利用しないともったいないです。
当時の私は札幌からスクーターで行きましたが、今なら迷わず飛行機で行くでしょう。
【利尻山】6月、ナイトハイクでご来光を眺めて、始発のフェリーで稚内へ帰る方法|札幌発着1泊1万円に挑戦
いかがでしたか?メジャーな山々ばかりですが、まだ登ったことがない人にとっては秋の計画に入れるチャンス!
興味がわいたら絶対にいま登るべき!やりたいことは今が旬なんです。
そしてやりたいと思った時にやるからこそ、得られる幸福感も絶頂。短い人生、チャンスを逃さないようにしたいですよね。