こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は斜里岳。斜里岳は北海道の東、知床半島の付け根にある斜里町と清里町、標津町にまたがる独立峰で、日本百名山に選ばれている山のひとつです。
北海道外から深田百名山狙いで斜里岳に登る場合、知床連山の羅臼岳や阿寒摩周国立公園(旧称:阿寒国立公園)の阿寒岳(雄阿寒岳)とセットで登られることが多いですよね。
さて斜里岳には、一般登山者向けに2本の夏道があります。
1本は清里町から登山口の清岳荘へ赴き、一ノ沢から新道コース・旧道コースで山頂へ至るルート(清里コース)。
もう1本は中斜里より玉石ノ沢に沿って登り、尾根を行くルート(三井コース)です。
詳しくは北海道夏山ガイド⑥道東・道北・増毛の山々が参考になります。
*沢や積雪期に登る場合は新版北海道の山と谷2 日高・道東(山と谷作成会議編)がとても参考になります。と言うか、もはやこれ一択です。
多くの人は前者の清里コースを利用していますが、後者の三井コースはとても静かで、コースタイムも短いので、もっと多くの人に利用されても良いコースだと思います。
そんな三井コースから登った記録をもとに、このコースの魅力をお伝えしていきます。
三井コース登山口へのアクセス方法
三井コースの登山口へは、国道334号線から中斜里駅を越えて、道道1000号線を南下します。三井コースの名前の由来は、この付近の地名が三井だからでしょう。
舗装路から砂利道になり、鹿柵のバリケードを自分で開けて(もちろん入ったら閉めましょう)、標識に従って車を進めれば登山口へ到着します。
ルート上にはこのような標識があるので、迷うことはありません。
鹿柵はこのような感じのゲートのこと。
山域から鹿が農地に侵入しないようにしているんですね。チェーンはかかっていますが、鍵は無いので自由に開け閉めすることができます。
登山口には入林届のポストがあります。
私は前夜の終業後に札幌を出発して、北見市付近で車中泊。4時間くらいの仮眠を取って、午前7時前に到着しました。
三井登山口から約4.5kmで山頂へ至ることができます。
沢登始点と書いてありますが、玉石沢という名の通り、ゴロゴロとした石が散っている登山道で、晴れていれば水に濡れることはありませんよ。
静かな沢地形を抜けて、山頂への尾根を登る
約1kmぐらいこのような地形が続いた後、尾根に取り付きます。
石の上は滑りやすいので、靴のソールパターンによっては、気を配りたいところ。
私が訪れた9月初旬は、直前に笹刈りが行われていました。
こうしたサポートがあって、登山道の維持がされているわけですね。草刈り機を使ったことがあればわかるでしょうが、片方の肩からスリングで持ち上げて移動するのは結構疲れるものです。
しかもオイルと燃料、水や食料も担ぎ上げるわけですから、たいへんなご苦労を察します。ありがたいですね。
尾根に取り付いて、しばらく登るとガマ岩に到着します。
標高は1,175mで、頂上まで残り1,250m。すでに終盤に差し掛かっています。
斜里町の街並みと田園風景、知床半島の付け根にある名峰「海別岳」が見えてきます。海別岳は夏道が無いのですが、積雪期には斜里岳より多くの登山者で賑わっている、冬の名峰です。「北海道の百名山」に選ばれています。
【海別岳】2月下旬のスノーシュー登山は山頂付近が強風のためニセピークで撤退
山頂が見えてくると、ハイマツと岩稜がミックスされた地形になってきます。両脇が切れ落ちた箇所もあるので、注意しながら一歩一歩進みたいところ。
遠くには「摩周岳」と摩周湖、その右には屈斜路湖と「雄阿寒岳」。奥に「雌阿寒岳」が見えて、道東の名所が揃い踏み。
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【雄阿寒岳|オクルシュベコース】4月の残雪期に廃道となった夏道コースを登って山頂へ
そして、ふわっと山頂に飛び出します。
日本百名山だけあって多くの人たちで賑わっているんですよ。背後からクマ鈴が聞こえて突然私が現れると、みなさんに驚かれます。そのくらいこの三井コースはマイナールートだと言うことですね。
そして山頂には、先週私が参加した北海道マラソンの記念Tシャツを着ている方がおり、全くの他人同士が1週間で2回も同じ場所で過ごしている偶然に、驚きを隠せないのでした。
こちらは清里コース側の眺め。三井コースから登ってきた場合、山頂に立たなければ見ることができない、南斜里岳や多くの標高点。山頂付近が複雑な地形をしていることが俯瞰できます。
帰りも一人ぼっちで登ってきた三井コースを下山します。
オホーツク海を眺めながら下山できるのは気持ちが良いものです。
斜里岳三井コース、いかがでしたか?
日本百名山に選ばれている北海道の山には、メジャーなルートと、マイナールートがあり、羅臼側から登る羅臼岳、喜茂別から登る羊蹄山、天人峡から登るトムラウシ山など、静かで味わい深いコースが存在します。それらと並んで、この三井コースも私がおすすめするルートの1つです。もし斜里岳に2回登る機会があるときは、三井コースを訪れてみてはいかがでしょうか。
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