今日の話題は十勝連峰。
この稜線は2014年6月に一度歩いているのですが、今回も日帰りで縦走してみます。
【十勝連峰】日帰り縦走するにはどこを起点にする?富良野岳から十勝岳、オプタテシケ山までを繋いでみよう
私にとっては何度歩いても飽きない、大好きな山域。
2015年7月下旬に訪れてみました。
まず、どこを起点にして出発するかを決める
十勝連峰縦走の基本的なルートは、富良野岳⇨十勝岳⇨美瑛岳⇨オプタテシケ山です。
でも、どこを起点にして、どこから下山するかが悩みどころ。
2014年は十勝岳温泉に車を駐車してスタートしたのですが、美瑛富士⇨ポンピ沢⇨吹上温泉へと下山したため、再び十勝岳温泉まで登り返すのがひと苦労でした。
かと言って望岳台を起点にすると、望岳台⇨美瑛富士避難小屋までの長い山腹歩きと、吹上温泉⇨十勝岳温泉の区間が楽しくなさそう。
そうなると、稜線歩きが長くなってほぼ往復することになるけれど、十勝岳温泉を起点にするのがやっぱり良さそう。
でも今回は、道道291号(吹上上富良野線)と道道966号(十勝岳温泉美瑛線)の交差点付近にバイクを駐車し、初めに十勝岳温泉まで徒歩で登ることに。
万一、天気が悪くて望岳台へ下りたとしても、登り返しをしなくてよいようにリスク回避をしておきます。
出発は早朝3時30分、まずは十勝岳温泉の登山口を目指して
7月27日月曜日の朝3時半。
日曜日の深夜のうちに現地へ移動し、まだ暗い中でのスタート。
十勝岳温泉に到着する頃に、ヘッドライトが要らなくなるような時間計画です。
そもそも、十勝連峰の全てをわざわざ日帰りで縦走する必要などないのですが、キャンプ指定地がカミホロと美瑛富士の2か所しかないので、なるべくなら1日で行って来ようというわけ。
そのためには、明るい時間が長くて残雪がほとんどない6月下旬から8月上旬をめどに、朝早くから行動しないとなりません。
荷物も軽い方が望ましいのですが、水は最低でも4リットルくらい担がなきゃまずいでしょう。
十勝岳温泉への舗装路は、いきなり14%の勾配が続き、実は登山道より厳しいくらいの急登が続きます。
標高差は約260m、距離は2.6kmの区間を30分くらいウォーミングアップをすれば、凌雲閣温泉に到着です。
十勝岳温泉登山口から2時間20分で富良野岳へ
外はまだ薄暗く、しかもガスが濃いので体が濡れ濡れになってしまいますが、時期的に暖かいのが救い。
モンベルのバーサライトを着ますが、ガスで濡れているのか、汗で蒸れているのが分からない感じ。
雨が降りそうな日は山に登らない主義なので、基本的に夏の日帰り登山では雨具不要を持論としていますが、それでもこれだけは必ず持って行きます。
4時ちょうどに登山口を出発し、稜線上の縦走路分岐へ到着したのが5時50分。
そのまま三峰山のほうへ行きたくなりますが、ここはやはり寄り道をして富良野岳へ登っておきます。
富良野岳到着が6時20分頃。
もちろん、これまで誰とも会わず、山頂も貸し切り状態です。
十勝連峰の縦走路は基本的にザレやガレ場が多いのですが、富良野岳と三峰山、美瑛岳の一部、ベベツ岳とオプタテシケ山にはお花畑が広がっています。
6月下旬の富良野岳はチングルマが満開ですが、7月下旬にもなるとチングルマはもちろん、コマクサやシオガマ系のお花、アズマギクなど多彩な高山植物を見ることができます。
お花は、晴れているときの生き生きとした表情もステキですが、朝露に濡れてしっとりしている姿もいいですね。
コマクサは三峰山に特に多いようです。
三峰山から殺風景で退屈な稜線、十勝岳を越えて
三峰山周辺で思ったより時間がかかり、上富良野岳に到着したのが8時、上ホロカメットク山到着が8時15分でした。
緑やお花畑が広がっていた景色から、すっかりと火山の様相に変わってしまったので、周囲には目もくれずに次の十勝岳を目指します。
この辺りは、走れるくらい傾斜が緩い箇所もあるので、少しペースを上げることに。
靴の中はすでにずぶ濡れで、サロモンの旧モデルであるXA PRO 3D ULTRA2のゴアテックスモデルも、2シーズン目になると弱くなりますね。
この靴は、2014年の十勝連峰縦走にも投入したし、幌尻岳⇨1967峰、カムエクでも活躍。
すでに寿命を迎えている感じもしますね。
これ以降、XA PROを2足、WINGS PRO(第1世代)を1足、SPEED CROSS(第3世代、第4世代)を2足履いていますが、ゴアテックスモデルは一度も購入していません。
人は年齢を重ねると、ついつい保守的になってきますが、登山道具は年々進化しているので、イノベーションが起こっている道具は臆せず試してみるべき。
トレランシューズもその一つ。
昔はローカットのシューズで登山に行くなんて、常識外れなイメージでしたが、私はボルネオのキナバル山も台湾の雪山もこれらのシューズで登っています。
上ホロカメットク山から十勝岳への登りでは、やはりガスがかかって視界不良。
いつ終わりが見えるかが分からないような状況に、退屈過ぎてメンタルがやられかける場面もありましたが、上ホロカメットク山から約1時間で到着。
十勝岳は深田百名山に選ばれていることもあり、今回もたくさんの登山者で賑わっていました。
ここはサッとすっ飛ばして次の美瑛岳へ。
十勝岳の山頂から下りると平坦地が広がり、よく言われている月面のような殺風景になっています。
ここのザレ場も退屈なところ。
小走りで通称鋸岳の裏手まで来ると、今度は深いザレ場となり、時に足を取られたり一度下って登り返し。
今度は美瑛岳の爆裂火口を右手に、時折お花畑の間を縫いながら、トラバース気味に山頂へと取り付いていきます。
美瑛岳から下りが縦走路最大の難関
美瑛岳到着は午前10時30分。
十勝岳山頂から約1時間15分を要しています。
本来ならば、美瑛岳はこの山域で最も眺めが良い場所なのですが、今回は残念ながら雲の中。
さて、ここから美瑛富士とのコルまで一気に下り。
山頂からコルまでは、標高差にして340mも下ります。
岩場も多いので、決して膝に優しくないんですよ。
普通に考えると、ベベツ岳とオプタテシケ山とのコルから、オプタテシケ山頂までの登りのほうが、遥かに厳しいイメージがあります。
でもこちらの標高差は280mなので、実際には美瑛岳のほうがキツいはずなのです。
美瑛富士避難小屋から石垣山とベベツ岳を越えて、遥かなるオプタテシケ山へ
この下りに45分ほどかかり、美瑛富士の南東側の裾野を20分くらいかけてトラバースすると、美瑛富士避難小屋の南側へ到着。
ちなみに、美瑛富士の南東側には遅くまで雪が残りますが、7月下旬の段階では消滅していました。
さてここから石垣山へ登って、ベベツ岳へ平坦な稜線を進みます。
天気もいったん回復してきて、晴れ間も見えてきました。
なお、懸案の美瑛富士ですが、往路で登ってしまったほうが賢明です。
私の場合、復路で登ろうとしたものの、時間的な制約と体力の問題で妥協することになりましたから。
石垣山はその名の通り、大きな岩が積み上げられたピークの一つで、次のベベツ岳へはお花畑が広がる稜線歩き。
どちらもピークと縦走路が少し離れているので、気付かずに通り過ぎてしまうかも。
こうして縦走路を富良野岳から歩いてみると、十勝連峰だけでも多彩な表情を持っていて、まったく飽きることがありません。
そうそう、石垣山からオプタテシケ山の区間は、エスケープルートが無いので、重たい装備はデポしていったほうが良いでしょう。
ベベツ岳から下る手前には大きなケルンがあり、130mの標高差を一気に下ることに。
下りきった標高点・1728の付近には、平坦なお花畑が広がり、気持ちを癒されますが、今度はここからオプタテシケ山頂までの厳しい登りが待っています。
縦走のハイライトにふさわしい登りで、気合を入れてガシガシ登っていきます。
ほとんどずっとガスの中で、ひたすら自問自答を繰り返す時間が続くわけですが、最終的には「やって良かった」という境地に帰結するのです。
山頂到着は13時5分。
石垣山の手前から1時間30分、ベベツ岳から50分要しています。
十勝岳温泉から約9時間かかったことになります。
減量したい時、このくらいやれば効果が見込るのかな。
そして、3度目のオプタテシケ山の山頂は、残念ながらあいにくのガスの中。
初めて登ったのは2012年の標高年。
この時は30分くらい待って晴れたんだっけ。
ガスの中だけど山頂には数人の登山者がいて、中には表大雪から歩いてきた方もいました。
テント泊装備一式と数日分の水や食料を背負って歩くのは、かなり気合と根性が必要。
しかもトムラウシ側から標高差600mを登ってきたというから、頭が下がります。
自分より遥かに凄いことをしている人に出会うことは、自分の視野を広げ、一段高い所へ目線を引き上げてくれるんですよね。
オプタテシケ山からゴールの上富良野岳までの稜線を戻る
オプタテシケ山を折り返したあとの帰り道は、3つの課題が残っています。
- 美瑛富士に登っていないこと
- 美瑛岳への登り返しが残っていること
- 18時までに上富良野岳まで戻らないと日が暮れること
体力的な余力はもちろんですが、時間も油断できません。
昨年2014年は、やはり天候がイマイチで、美瑛富士のコルからポンピ沢を経て吹上温泉へ下りました。
でも、美瑛岳の山腹ルートと吹上温泉への裾野ルートは好きではないので、できれば稜線を戻りたいところです。
美瑛富士にも登りたいのですが、やはり優先すべきは、18時に上富良野岳に戻ること。
十勝岳温泉まで真っ直ぐに下りたいわけ。
まずは、美瑛富士のふもとに2リットルの水をデポしていたおいたので、これを回収。
続いて、給水しながら美瑛富士に登ろうかと思案していることろに、また小雨が降ってきました。
しかもすでに15時を過ぎています。
無理は禁物だと自分に言い聞かす理性と言う名の言い訳と、脳が身体から赤信号をキャッチしたという妥協の正当化によって、足は自然と美瑛岳の登り返しに入っていました。
ニッポン男子の本懐を遂げられず、実に情けない。
美瑛岳の登り返しを過ぎた頃から再び晴れ間が広がり、彼方に下ホロカメットク山も見えてきました。
この山は20代の頃から憧れていて、個人的に北海道で最も美しい山だと思っています。
2018年4月に登頂することができ、思い描いていることは必ず実現できることを確認。
次は同じような円錐形で美しい、カムチャッカ富士ことコリャークスキーや、ルソン富士で有名な活火山のマヨン山にも登ってみたいです。
さてこの辺で天気は一時回復してきたものの、今度は十勝岳までのザレ斜面の登り返しもツラいところで、十勝岳へ到着したのは17時15分でした。
もちろん、この時間の山頂には誰もいません。
私は孤独が好きなので、誰もいない山頂でも決して寂しくはありません。
十勝岳山頂から上富良野岳へは、下りメインの高速コース。
小走りに駆けながらまずは上ホロカメットク山へ。
上富良野岳から十勝岳温泉へ下山し、土砂降りのなか車道を行く
上富良野岳にはほぼ予定通り、18時5分に到着。
あとはひたすら下山モード。
以前、ここの下りの木段で滑って臀部を強打したことがあるので、今度は慎重に時間をかけてゆっくりと。
十勝岳温泉に到着したのは1時間30分後の19時30分でした。
すでに辺りは真っ暗。
すでに、明日の登頂に向けて車中泊をしている方が数名いました。
駐車場に、クマよけの鈴がチーン、チーンと鳴り響きます。
ここでまさかの土砂降りの雨。
暗い夜道をずぶ濡れになりながら、スクーターをデポしてある道道966号との交差点まで下ります。
途中「この時間は熊が出るから乗っていきなよ」と嬉しいお誘いをしてくれたドライバーさんがいましたが、さすがにあまりにも自分が酷い状態なので遠慮しました。
どんなに控えめに見ても、汗と雨でぐちゃぐちゃの中年オヤジである私ですから。
30分後の20時ちょうど、16時間30分にわたる2回目の十勝連峰日帰り縦走を終えたのでした。
完全燃焼系の山歩きに充実感でいっぱい。
125㏄のスクーターで札幌まで帰る途中、睡魔に襲われて道端で5回くらい仮眠を取り、帰宅したのは25時を過ぎ。
私も40代後半になり、そろそろもう一度、全山縦走に再挑戦してみたいと思っている今日この頃です。