今日はトムラウシ山の話題。
9月の下旬、まもなく10月になる頃、天人峡からヒサゴ沼へ行きテント泊、翌朝トムラウシ山に登りました。
当時は純粋にトムラウシ山に登りたくて行ったのですが、振り返ってみると紅葉がとても素晴らしい。見渡す限りの絶景も広がっており、この時期の天人峡コースについて、もっと多くの方に共有したほうが良いと思いました。
北海道夏山ガイド②「表大雪の山々」で紹介されている写真は、7月と8月のもので、紅葉シーズンのものではないんですよね。それを補完する意味でも、この記事がお役に立てればいいと思います。
古い山行記録なので当時のコンデジの写真では、その魅力がなかなか伝わらないかもしれませんが、お蔵入りした記事をリライトしました。
なお、2017年6月に訪れた時の記事はこちら。
【トムラウシ山|日本百名山】を天人峡温泉から日帰りできるか?このコースをおススメする理由とは?
第1公園までの道のりも、紅葉がキレイだと苦痛にならない
9月下旬に天人峡からトムラウシ山に登るメリット、それは紅葉です。
大雪山系では9月下旬になると雪が降ります。
大雪山系が紅葉のピークを迎える9月中旬より1~2週くらい遅れて登ることで、天人峡温泉から第1公園までの、あの長い樹林帯を楽しむことができるのです。
これ、かなりのメリットですよね。
トムラウシ山を目指すほとんどの方は、天人峡コースを敬遠します。なぜならば距離が長いから。それもとにかく天人峡登山口から第1公園までの間が退屈なんです。
ところが、紅葉の時期になると意外にも飽きずに歩けるわけですね。
では一体どんな感じか画像で見てみましょう。
天人峡登山口を出発して、最初は上の画像のように、まだ緑が多い木々ですが、、、
標高を上げて第1公園が近くなると、こんな感じで黄色く染まるんです。
第1公園までのコースタイムは約3時間で設定されていますが、ここを飽きずに歩くことができると思います。
表大雪はほとんど歩いたけれど、天人峡コースだけは体力に自信がなくて、、、という方でも、紅葉がキレイなシーズンだときっと楽しく歩けますよ。
ちょっと雪が降った旭岳を第1公園の黄金絨毯越しに見上げる
第1公園:2011年9月28日撮影
第1公園:2017年6月30日撮影
第1公園は黄色の絨毯で彩られていて、正面に雪が降ったばかりの旭岳が見えます。
あまり注目されていない第1公園ですが、ここだけを訪れるファンの方って案外多くいるようですよ。
この時期の第1公園にはお花はありませんが、それでも私は秋の景色のほうが好みです。
さらに進んで第2公園ではナキウサギの姿も。
いつもチッチッと聞こえるのですが、姿を見られることはほとんどありません。ですから姿を見つけられると嬉しいですね。
第2公園は無雪期を通していつも泥だらけ、ヌチョヌチョで靴を濡らしてしまいますが、それを過ぎると爽やかな高原歩きになります。
第2公園から化雲岳にかけては一面のお花畑なので、赤く染まった草紅葉に見とれてしまいます。
第2公園を過ぎてから化雲岳へは、チングルマの草紅葉が素晴らしいんです。
紅葉シーズン、毎年のように裾合平や銀泉台へ行かれている方は、表大雪の紅葉最盛期(例年9月15日頃)から1週間くらい後に化雲岳へ訪れてみると、きっと楽しめるはず。
さて、いよいよ化雲岳が見えてきました。
軽めのテント泊装備を担いで5時間以上はかかりました。今日はヒサゴ沼でテント泊予定なので、水の心配は要らないはず。
ちなみに「化雲岳」という名前、みなさんどう思いますか?
せっかくお花畑が素晴らしい山なので、「花雲岳」にしてあげればいいのになって思いませんか?
化雲岳から紅葉のヒサゴ沼へ。貸し切りのテント泊を楽しむ
化雲岳から忠別岳方向の眺め。この時期の山肌の彩りは魅力的です。
こちらは東大雪の山並み。ニペソツ山から音更山までズラリと並ぶ。
14時頃にヒサゴ沼に到着。テント場は無人で貸し切り状態
麦とホップは発売当初からのファン。サッポロビールが好き!
貸し切りのヒサゴ沼でツェルトを張って就寝準備。
小屋には大学生らしいパーティがいるようですが、交流せずに一人の世界に浸ります。
彼らは、滝見台付近で私を抜いて行ったパーティだと思います。
実は、それから誰一人スライドしていません。この時期に訪れる人はほとんどいないみたいですね。
日が暮れるヒサゴ沼を堪能します。
シングルウォールのツェルト、購入後20年を経過しているモンベルの化繊シュラフ、マットなし。
寒すぎて、全く眠れない長い長い夜でした。何度かガスストーブを炊いたっけ。
小屋に入るっていう選択肢まで考えていませんでした、、、残念です。
でも、この時に見た満天の星空が、今でも忘れられません。
ヒサゴ沼からトムラウシ山の頂へ
翌朝は予定の5時をだいぶ過ぎてから出発。ヒサゴ沼から縦走路への登り口には、万年雪が残っています。
縦走路に戻り、トムラウシ山を目指して歩き始めます。
秋のひんやりした空気が気持ちよく感じられます。
私はトムラウシ山に登るのは初めて。いよいよ念願だった山頂へ訪れる日がやってきました。
神々の庭は、日本庭園があったり、ロックガーデンがあったり、静かな沼があったり、大雪山のハイライトシーンに相応しい景観が広がっています。
トムラウシ山へは新得町から日帰りされる山ですが、ちょっと余力をもって、こちら側へも足を伸ばすことを推奨します。
澄み渡る天沼。ヒサゴ沼と違って、波一つ立っていないですね。
ロックガーデンを振り返って。雄大な景色が広がっています。
北沼まで来ると、山頂はまもなくです。
十勝連峰の山並み。オプタテシケ山から続く山脈が全部見える!
トムラウシ山頂から全周の眺めが素晴らしい!
念願のトムラウシ山山頂から表大雪方面の山並み。
ヒサゴ沼から2時間30分くらいかかり、登頂は午前8時半頃。
風はありますが、快晴で十勝連峰、東大雪、表大雪をぐるっと見渡せました。
しかも無人。貸し切り状態です。
トムラウシ山の山頂に立つのは嬉しいですよ。もっと多くの人にも。
山頂から石狩連峰の眺め。大雪山の奥座敷を満喫です。
山頂での余韻もつかの間。今度は天人峡までの長い道のりが待っています。
山頂からの下り、ロックガーデンでは足元に十分注意して。あとはひたすら長い緩やかな登山道を下山するのみです。最後の三十三曲がりを終えて天人峡温泉に帰った時の安堵感は、この道を歩いた人にしか分からない気持ちかも。
2017年の日帰り山行の記事もぜひ併せてお読みください。
【トムラウシ山|日本百名山】を天人峡温泉から日帰りできるか?このコースをおススメする理由とは?