今日の話題は海別岳。海別岳は知床半島の付け根に鎮座する北海道百名山の一つです。斜里の街から見上げる日本百名山「斜里岳」があまりにも有名なため、海別岳の知名度はいま一つかもしれませんが、引けを取らない美しい山だと感じるはずです。
夏道のない海別岳。北見や網走にお住まいならまだしも、旭川や帯広、札幌や函館在住の人ならば、長い移動時間と天候に恵まれなければ、なかなか登ることができないでしょう。
そんな海別岳に2月末日に3連休を取得して挑んでみた記録を綴ります。どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
除雪最終地点(東八線)からかなり歩く!
海別岳へは私1人で行こうと計画していたところに、いつものメンバーも行くことになり3人で行くことになりました。雪山は複数だと心強いですね。
今回は3連休を取り、北見での後泊も入れてスケジュールにゆとりを持つことができました。
2016年の道内は雪が少ないため、1か月前倒しの2月末でも残雪期感覚で登れるだろうという楽観視でしたが、やはり東八線までしか除雪されておらず、俗にいうT字路登山口まで約1時間30分のアルバイトを強いられます。
いっぽう、樹林帯は前日の入山者のおかげでノーラッセル進めました。
樹林帯を抜けるとオホーツク海を見渡せる
曇っていて海別岳は見えないのですが、樹林帯を抜けると斜里の海岸線とオホーツク海に浮かぶ流氷を見ることができます。
こういう景色はこれまでの山では見たことがないので、テンション上がります。
ここまで4時間くらいかかっており、やっと視界が開けました。
時折陽が差す真っ白な斜面を一直線に登って
上空の雲の流れが速く、南西方向からどんどん雲が流れてくるのですが、時折陽が差して・1155付近が見えます。
前日のトレースは標高800メートル付近で沢方向に下りており、ここからはくるぶし程度のラッセル。
・1155ですでに疲労困憊しているメンバーですが、ニセピークが姿をほとんど現わさないがため、逆に打ちのめされることなく前へ前へと歩を進めることができた感じです。
だんだんと陽が差す時間が増えてきて、1380ニセピークが間近に迫っていることが視覚的にわかります。
この辺でアイゼンを装着しておけば良かったのですが、結局アイゼンを付けるタイミングを逸してしまいました。
稜線に出て振り返ると隣の・1310~・1176へと続く稜線が見え隠れします。
前を行く母が立ち止まったので、ニセピークに到達したのだとわかりました。
風の強さが凄すぎる。顔面が凍傷になるくらい寒い!
母がスノーシューのままピークを目指します。
私はニセピークの陰でアイゼンを装着しようと試みますが、風下が急斜面なので、断念。すると、母が直感的にヤバいと思ったのでしょうか、引き返してきました。
ちょうどもう一人の同行者がニセピークへ到達したので、合流して帰ることにしました。ピークへは立てませんでしたが、知床半島の北東側を見ることもでき、一同達成感でいっぱい。
ニセピークから下ると一気に晴れた☆
ニセピークから逃げるように・1155まで一気に下りました。海別岳は山スキーの山ですが、スノーシューでも安全に素早く下山できる傾斜です。
ずっと雲に隠れていた斜里岳も姿を現し、海岸線もくっきり見えます。
夏の斜里岳(三井コース)の記事はこちら
【斜里岳|日本百名山】三井コースからの登山は静かで渡渉箇所もなく、時間も短い穴場コースだった
朱円の尾根に自分たちの軌跡が残る
帰り道は晴れ渡る青空のもと、T字路まで下りることが出来ました。
自分たちが歩いたトレースが朱円の尾根にバッチリ残っているんです。
さて、ここから車のある東八線までかなり距離がありますが、歩くしかないので最後の我慢。何とか日が暮れる直前の16時30分に駐車スペースへ。
清里町の緑清荘さんのお風呂で温まってから、お宿の北見まで。結構ハードな1日となりました。