羊蹄山には全部で4本の夏道コースがありますが、羊蹄山の夏山シーズンは6月下旬からで、6月上旬ではまだまだ残雪が多いと言われています。特に京極コースや喜茂別コースは雪が多く残りがち。今回は6月1日の羊蹄山喜茂別コースに登ってみました。
静かな喜茂別コースから山頂を目指して
もともとこの地域は冬の降雪量が多く、そのために山々の雪解けも遅い傾向にあります。平地から山を見上げた時にハッキリと雪を確認できる場合、相当量の残雪があるというのが通説であり、画像を見てわかると思いますが、沢地形が雷(いかずち)のように見えている場合は、まだまだ残雪期だと判断すべきです。
このコースは道道から林道に入り、チェーンがかかった箇所に車を駐車して、さらに林道歩きを続けます。駐車場スペースには10台くらいの車を停めることができますが、未だかつて満車になったところを見たことがありません。ですから静かな山歩きができることに間違いがない反面、人目につきづらい場所ということで、車上荒らしに注意が必要です。実際札幌近郊では、登山口での車上荒らしが多いと聞いたことがあります。
真狩コースに比べると分かりずらい場所に登山口がありますが、グーグルマップでも検索することができますので、現地でスマホから検索が可能です。
最初はこのような林道を一直線に進みます。ここは軽めに走ってウォーミングアップをしたいところ。途中から林道が屈曲しますが、登山道は真っ直ぐに敷かれており、何度か林道を横切った後、いよいよ本格的な夏道がスタートします。
登山道に入ると右手に沢地形を見ながらも、次第に沢から離れて尾根を進みます。登山道が荒れている箇所はありませんので、安心して登ることができるでしょう。
どんどん標高を稼いでいくと、後方には「前方羊蹄山」とも言われる尻別岳と、支笏湖周辺の白老岳から徳舜瞥山、そしてオロフレ山への連なりが見渡せます。尻別岳の標高が1,107mですので見下ろす感じになってくると、残りの行程がカウントダウンに入ります。
夏道が完全に雪で覆われてしまうと、沢地形を直登した方が分かり易いでしょう。斜度がかなりありますので、アイゼンを装着した方が安全です。そうでなければ、木々の生え際から離れないようにして、一歩一歩キックステップを踏みながら慎重に。
天気が良ければ、余市岳や白井岳が見渡せるばかりではなく、日本海を越えて110kmも離れた増毛山地まで見通すことができます。
こちらは洞爺湖周辺の山々。天気が良ければ、噴火湾を越えて85km彼方の渡島駒ヶ岳まで見渡せます。
さあ、まもなく山頂です。このコースはかなり下部から白く輝く山頂標識を確認することができます。目指すところが事前にわかっていると、精神的に負担が少なくて済みますね。
山頂からの景色。里が見える山というのは爽やかですよね。
父釜にはまだまだ雪がびっしり詰まっています。もう少しすると青い父釜の底が見られることでしょう。ニセコ連山の山並みもきれいですね。さらに目を左に転じると、狩場山も眺められます。
こちらが父釜の底が青くなるときの様子。天気が悪くて暗い画像ですが、さらに2年前の6月6日の状況です。このような感じで見ることができるんですよ。
6月初旬に登る計画の方、雪渓には十分に注意して安全に登りましょう。
追記|2018年5月23日の羊蹄山喜茂別コース
2018年5月23日にも喜茂別コースから登ってみました。こちらは記事に起こす予定がないので、こちらに追記します。
標高1,000mから夏道が消失し、雪の上を歩くことになります。再訪してみて感じたことは、かなり急斜面だということ。雪がザラメでツボ足でも十分歩けますが、この斜面で転んで滑落したら恐らく止めることができないので、慎重に登りたいところです。私は4シーズンブーツと12本爪アイゼンで登りましたが、かなり高度感があって気分的に疲労します。夏山モードで安全に登るなら、6月中旬以降を推奨します。
父釜の雪の残り具合はこのような感じでした。青い池が出現するのは、やはり6月初旬でしょう。
※大きな音が出ます。ご注意ください。