こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は東大雪のユニ石狩岳。4月上旬に登ってみた様子をお伝えします。
ユニ石狩岳は、夏に石狩岳や音更山とセットで縦走されることが多い山。北海道外の人にとってはほとんど知られていないかもしれませんが、北海道で山歩きをする方ならご存知ですよね。
この山も2016年夏の台風の影響でしばらく夏道が閉ざされていましたが、2018年の8月には別ルートで林道が開かれ、今まで通り夏でも登ることができるようになりました。このアプローチについては新版北海道の山と谷3でも詳しく説明されています。
また、開通当時の様子は次のブログ記事にて。
【石狩岳シュナイダーコース・岩間温泉】登山口までの道路状況と温泉の現状は?
そんなユニ石狩岳へ積雪期に登るには、三国峠を下ったヘアピンカーブから尾根に取り付くルートがあります。
取り付き地点は三国峠の南側から
取り付き地点は国道273号線を上川方面から南下し、「上士幌まで53km」の路側標識がある付近からになります。この付近は大きなカーブになっていて、ちょうどトンネルを抜けて下り基調の場所。
路側にはクルマが縦列に駐車できるくらいのスペースもあります。
今回は午前7時頃に到着した時点ですでに先行者が1名。クルマもトレースもあって迷わず取り付くことが出来ました。
もしトレースがなくても地形がわかりやすいので、高い方へどんどん登って行けば主稜線まで到達できるでしょう。
スノーシューを履き、まだちょっと寒い東大雪の森に入っていきます。
主稜線まで一気に高度を稼ぐ
稜線まではひたすら登り基調。林の中をグングンと高度を上げていき、一気に主稜線へ到達します。
この日は寒気が入り、4月10日にしてはとても寒い朝。出発時の札幌市内にはすでにほとんど雪はありませんが、山では小雪が舞ってそこそこの風もあります。
今回はそれほど雪が深くないので、スノーシューの出番ではないようす。早々にデポして、ほとんどツボ足&アイゼンで登ります。
国道をずいぶんと下に見下ろす標高まで到達すると、ピリベツ岳と西クマネシリ岳が背後に。
クマネシリの山塊は、訪れる人が少ないので静かな山歩きができます。
夏の西クマネシリについては過去のブログにて。
【西クマネシリ岳】大雪山系を見渡す最高の展望台へ登ってみよう!
そして右手には三国山への稜線。あともう少しで稜線まで到達という場面。稜線到達まで約2時間15分くらい。
主稜線まで到達するだけでも満足なルート
主稜線に出ると枯れた1本の立木があって、そのにはピンクのマーキングがありました。帰りはこの下り口を見失うと大変。もちろん読図も重要です。
やはり稜線。風がとても強くて、4月と言えども顔面の露出箇所が一気に冷やされます。フェイスマスクに帽子、ネックウォーマー、ジャケットのフードを被ってもちょうどいいくらい。
一息ついたら再び行動開始。
最初は小さなポコが続きますがそれを越えると、きれいな稜線がユニ石狩岳へと続いています。シュカブラが美しく、全体的に南側に雪庇が発達している印象。
強風でアップダウンも多いが心地良い
主稜線の最初は小さなポコがいくつかありますが、それらを越えると、大きく2回の登り返しがあり、ここが1回目の下りの場面になります。
どこの山もそうですが、帰路に登り返しがあると思うと精神的に疲れるので、心のゆとりが無くなったら引き返すべき。
春とは言え、雪山での停滞は命を落としかねません。
標高点・1706への登りの場面。後方が・1676との中間に位置する1,690m付近。
斜面が広いので、地図上の国境からやや南側を一直線に進みます。
ここは視界が悪いと注意が必要な場所。稜線が南側に向かうので、北側に下りすぎると戻ることができなさそう。
標高点・1706から再び下りて、左右に雪庇が発達する細くてコブが多い稜線を登ってきます。
ユニ石狩岳東肩への最後斜面はこの行程で最も急な斜面なので、一歩一歩慎重に行きたいもの。両手を使って登るくらいの急斜面。
この辺りから大きな音更山も見えてきます。
念願だった残雪期のユニ石狩岳ピークへ
登山開始から約4時間30分。念願だった残雪期のユニ石狩岳の山頂へ到着。
稜線に到達してから2時間ちょっとかかりました。親子でこのコースを登るなんて、そうめったにないこと。喜びを共有します。
時折り、ガスの晴れ間から見える音更山。次回はこのコースを延伸して音更山の日帰りを目論みます。適期は4月下旬から5月上旬くらいでしょうか。
帰り道も飽きさせないユニ石狩岳
帰りは急速に天候が回復。2016年の2月下旬に登った海別岳の時と同じ感じです。
【海別岳】2月下旬のスノーシュー登山|山頂付近が強風のためニセピークで撤退
晴れて視界が良くなるのはいいのですが、風が強くなって雪が硬く締まってくるのは考えもの。午後になって、これから気温がグングン下がるので早く稜線から離れたいところです。
そんな雪面の変化を感じている矢先の出来事。
山頂直下の急な下りで母が足を滑らせて、谷側にゆっくりと滑落していきます。その姿を見た時に、一瞬「ああ、終わったな」と思いました。
本人も焦ったでしょうが、10mくらい滑り落ちて止まったので何とか復帰出来ましたが、運が良かったとしか言えません。
こちらはユニ石狩岳から下ったところから見上げた標高点・1706。
登り返しが厳しいところですが、姿カタチが立派で思わずため息がでます。
北日高のピパイロ岳もそうですが、下界から見ると何でもないピークのようですが、稜線上のコルから見上げると端正で美しい山の1つだと思います。
再訪したい隠れた名山。
風がますます強くなりましたが、ガスが晴れてニペソツ山やウペペサンケ山がくっきりと見えるようになりした。
帰り道は先行者の方と3人パーティとなって稜線歩き。
雪山で他の登山者を見ると、ちょっとホッとしますよね。
主稜線からの下りは慎重に
三国山への稜線が続き、そのまま縦走を続けたい気持ちに駆られるところですが、今回は時間がないので下山。
稜線からの降り口もかなり急斜面で、しかも尾根が狭いので注意が必要。午前中は緩んでいた雪面も、強風によって固く締まっています。
でもこの辺からは東大雪の山々がすべて見渡せるので清々しい気持ちになります。
まず、ニペソツ山。遠くから見ると、ぼてっとした山塊にしか見えないのですが、前天狗でご対面したときは誰しもが感動する場面。2014年の10月初旬に登ったときが今でも印象に残っています。
【ニペソツ山|日本二百名山】白いニペソツに会うためには?10月初旬、旭岳の初冠雪の時期を目がけて登ろう!
いっぽうでウペペサンケ山は離れた場所から見た方が好きかも。
途中でデポしておいたスノーシューの場所を見失い、いつの間にか15時30分頃に国道へ下山。
捜索打ち切りを日が暮れる17時と決め、往復1時間を目安に再度登り返して回収に行くことに。
狭い尾根。木にピンクリボンもぶら下げておき、デポ地点を見失うことなど想定していなかっただけにちょっとショック。
でも無事に回収することができ、予定通り16時30分には下山完了。
このルート、機会があればまた登ってみたいと思います。